2024.12.11 お知らせ

第63回 中日理論言語学研究会

関係者の皆様へ:
 
第63回中日理論言語学研究会では、下記の通り、対面・オンライン形式で研究会を開催いたします。
ご多忙の時期とは存じますが、多くの方々のご参加をお待ち申し上げます。
 
 
                                                          記
 
日時:2025年1月26日 (日) 午後13:30から17:30まで
 
会場:同志社大学大阪サテライト・キャンパス
   〒530-0001 大阪市北区梅田1-12-17 JRE梅田スクエアビル17階 
   TEL:06-4799-3255
アクセス:https://www.doshisha.ac.jp/information/campus/access/osaka_o.html
 
参加方法:参加を希望される方は、下記のURLまたはチラシのQRコードにアクセスし、2025年1月17日(金)の17時までにFormsにて参加申込書をお送りください。対面およびオンラインでの参加には、いずれも人数制限がございます。上記日時より前に受付を終了する場合がございますので、あらかじめご了承ください。
 
Forms URL: https://forms.office.com/r/SFYCDDRSxm
 

講演者(敬称略)及び題目・要旨:
 
発表1:反語文の成立条件
発表者:伊藤さとみ(お茶の水女子大学)
要旨:反語文は、形式上は疑問文だが、意味上は命題を断言するような文である。反語であることを明示する形態素を除外すると、反語文が成立する条件には、1) 会話の共通基盤に断言する命題が既にある、2)ふさわしい音調で発音される、の2つがあげられる。ふさわしい音調とは、日本語では、文末下降音調であると言われる。一方、中国語では、反語文を特徴づけるプロソディには、文全体の発話時間の伸長、平均ピッチの低下、文末助詞の音声的圧縮などがある。本発表では、中国語の疑問文が、反語文として成立する場合の文脈とプロソディを、成立しない場合と比較し、反語文の意味とプロソディの関連について論じる。
 
発表2:広東語・北京語・日本語・朝鮮語における副詞表現の対照言語学的研究―特に動詞に後置された要素の文法化に着目して―
発表者:塚本秀樹・許文傑(関西外国語大学)
要旨:副詞に関する3種類の表現形式(《Ⅰ型》「副詞+動詞」型,《Ⅱ型》「動詞+副詞的後置成分」型,《Ⅲ型》「副詞+動詞+副詞的後置成分」型)のうち,《Ⅱ型》と《Ⅲ型》は,広東語では数多く見出されるのに対して,北京語と日本語には見られない。また,広東語には,《Ⅱ型》は成立可能であるが,《Ⅲ型》は成立不可能である場合と,《Ⅱ型》と《Ⅲ型》の両方が成立可能な場合の2種類の成立状況があるが,広東語における《Ⅲ型》は,副詞的後置成分のアスペクトへの文法化が進んでいることに起因している。さらに,副詞表現については,広東語は日本語と非常によく似ており,北京語は朝鮮語と非常によく似た様態となっており,このことは,言語類型論研究に大変興味深い考察課題を提供する。
 
発表3:中国語の複合動詞はどこで形成されるのか―北京官話と江淮官話の比較から
発表者:沈力・楊苗苗(同志社大学)
要旨:Lexical Integrity Hypothesis(Lapointe 1980:8)によると、「統語規則は語の内部構造に干渉できない」とし、語彙と統語を独立した部門とみなす仮説である。一方、沈(2023:47)は、北京官話における複合動詞(例:反省)が「反什麼省=ナニガ反省ダ」のように分離可能であることに着目し、複合動詞が語彙ではなく統語レベルで形成される可能性を指摘した。ただし、「反什麼省」が「句」か「語」かは未解明である。本研究では、江淮官話の「反什麼a省」との比較を通じて、北京官話の「反什麼省」が複合体であることを示す。また、江淮官話では「反什麼省-a, 反反的=ナニガ反省ダ, うるさい」のような節連結形(clause linkage)が観察されるが、北京官話には存在しない。これにより、江淮官話は北京官話よりも、さらに分析的であることが明らかとなる。
 
2024年12月11日
中日理論言語学研究会
沈力